「田んぼ」は生きるエネルギーを生み出す装置

2022/09/25

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Vol.27 『労働力不足から見える真実』

外国人の雇用は労働力不足解決の切り札の1つですが、そこからは怖い未来も見えてきます。


深刻だけど本当の現実に気づいていない

2030年に日本の労働人口は644万人も不足するといわれています。内訳は製造業で38万人、卸売・小売で60万人、医療・福祉分野で187万人、もっとも不足するのがサービス業の400万人となっています(ここに挙げた4業種だけで644万人を超えてしまいますが、人手余剰となる業種もあるため、差し引きすると644万人になります:パーソル総合研究所・中央大学「労働市場の未来推計2030」より)。その調査報告には人手不足を解決する手段として、「女性の活躍」、「シニアの活躍」、「外国人の雇用」、「生産性の向上」の4つを挙げています。


「特定技能」という在留資格

外国人が日本に住むためにはビザが必要です。ビザにはさまざまな種類があり、滞在目的やスキルなどに応じて日本でできることが細かく定められています。これを「在留資格」と言います。政府は外国人の雇用を増やすため新たな「在留資格」として、「特定技能」の適用範囲を広げようとしています。ただ、この資格には在日期間が5年とか8年といった期限があり、できる仕事にも制限があります。また母国に奥さんやお子さんがいても家族を日本に呼び寄せることができません。ずっと日本にいることができて、家族も呼ぶには、介護福祉士や自動車整備士などの国家資格を取るか、条件が厳しい別の在留資格を取るか、日本人と結婚し日本で家族をつくるしかありません。

前回のこのコラムで技能実習制度の話をしました。技能実習生たちもすでにこの国の人手不足を救う1つの手段になっています。ところが技能実習という名前の通り、彼ら彼女らは労働ではなく、実習に来ているという扱い、つまり「見習い」です。だから調査などでは労働人口にカウントされません。しかも給料は安い。こうして3年間、同じ職場で働いてもらっているのです。人手不足の解決には「外国人の雇用」を掲げながら、実際には外国人を使い捨てることを制度化しようとしているだけなの?少なくとも私にはそんなふうに見えるのです。門戸を開けば何もしなくても外国人が来てくれたのはもう昔の話です。考え方を改め、すぐに環境を整えなければ人材獲得競争に負けてしまいます。


日本人には成り手がいないのに

人手不足が予測される職業のなかには、日本人でその職業に就きたいという方がそもそも少ないものがたくさんあります。あまり人気がないということです。通常なら、そのような職業に就こうとする方は取り合いとなり、もっと給料が上がるはずです。ところが20年以上も給料の上がらない国、日本では、まだそれほど上がっていないのです。どこかで人手不足が深刻なことはわかっていても、まだなんとかなるというと考えがあるからではないでしょうか。そして、きつい労働環境でありながら、それに見合う給料でもないことを、もうアジアの皆さんもよくご存じなのです。

労働に見合った給料を出し、職場環境を整えなくては、誰もこの国に来てくれなくなります。それを実現するためには、その企業や施設が提供しているモノやサービスの対価を上げなければならないのです。





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