「田んぼ」は生きるエネルギーを生み出す装置

2022/09/10

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Vol.26 『技能実習生を関係人口に』

今日は目先を変えて、違う話をします。


技能実習生

先月、久しぶりにインドネシアに海外出張することになり、わけあって現地の技能実習生の送り出し機関の職業訓練所を見学することができました。技能実習生とは正確には「外国人技能実習制度」に基づいて日本に来た方々で、この制度は、「我が国で培われた技能、技術又は知識を開発途上地域等へ移転することによって、当該地域等の経済発展を担う「人づくり」に寄与すること」を目的として1993年に創設された制度です。それが2017年11月に、法律が改正、施行され、新たな技能実習制度がスタートしました。

こう説明されると、何か世界の発展のために人材育成をしているように思いますが、実態は日本の労働力不足解消のため、日本人だけでは十分な雇用が確保できなくなった職種に、外国人労働者をはめ込むために急造された制度、と私は感じています。ごく一部だとは思いますが、その過酷な労働実態がドキュメンタリー番組で報道されたりもしています。技能実習生を受け入れることができるのは限られた業種のみで、農業も含まれます。


もったいない実状

冒頭の職業訓練所では自分が選んだ業種についての最低限の知識と、これまた最低限の日本語を数か月、勉強します。その後、日本の受け入れ先(就職先)へと出発していくのです。日本の農家では近年、技能実習生を受け入れが進み、野菜の収穫時期などは彼ら、彼女らがいなければ回らないほど、大切な労働力となっていました。そこへコロナが直撃!新たな実習生が入国できない期間が続き、農家もやむなく出荷を減らすところもありました。

日本のために一生懸命、働いてくれる実習生たちですが、3年から5年ほどで「実習」を終え、母国に帰らなければなりません。ところがせっかく技能を身に付けたとしても、それを活かせないことも多いと聞きます。その最大の理由は身に付けた技能を活かせる仕事が母国にないことです。そして、やむなくほかの仕事に就くことになります。これでは双方にとって制度の目的が達成できません。せめて覚えた日本語が活かせればいいのですが。


新たな関係人口の創出へ

日本は少子高齢化によって2030年には640万人もの人手不足になると予想されています。その有力な解決策の1つが外国人の雇用です。技能実習生たちのほとんどは日本のアニメ、漫画などのサブカルチャーや日本食などの文化が好きで、わざわざ世界でももっとも習得がむずかしい言語の1つである日本語を学んで日本にやって来ます。もうそれだけでも「ありがとう!」と言うべきなのですが、日本人の多くはまだまだ人手不足の実態を理解しているとは言い難い状況だと私は思います。

日本に来てくれた実習生たちを街ぐるみで歓迎しねぎらい、母国に帰っても日本語学習を通じて交流を続け、今度はそれを見た後輩たちがその街を目指してやってくる、という流れを、いますぐ地方は作るべきだと思います。アジアに我が街のファンをつくっていけば、新しい意味での関係人口を増やしていくことができます。







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