「田んぼ」は生きるエネルギーを生み出す装置

2022/08/25

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Vol.25 『職農近接は新たなビジネスを創る』

仕事に追われながらも、ふと外に目をやれば田んぼが見えたら?きっと気持ちも変わるはず。


土地への愛着

農業を介したつながりは期間の長いものになっていく可能性が高いのです。もともと農業というものがそういうものだからです。地元の農家さんといいつながりが生まれれば、その土地への愛着も深まります。もちろん釣りが好きな人であれば、すぐそばに海や川があるだけで土地への愛着は湧いてくるでしょう。でもいくら魚を釣り上げても、自分で育てたものという感覚は得られません。漁業でも養殖がありますが、さすがに素人ができるものではありません。


『職農近接』は農業復活への近道

全国の自治体がサテライトオフィスやコワーキングスペースをつくり、テレワークをする都会の人を呼び込もうとしていますが、長く我が町にいていただくための施策として、ぜひ一度、地元の農家さんとのつながりをつくってあげてほしいと思います。私が提唱する『職農近接』は、都会から人を呼び込む強力なコンテンツになるばかりでなく、農地の活用、耕作放棄地の活用にもつながるはずです。

ここで1つ、行政担当者の皆さんに考えていただきたいのが、農地利用の規制緩和です。農地は地元の農業委員会が管理していて、委員会が農家と認めた人にしか農地を売ったりすることができません。唯一、農家のご子息のみ、農家でなくサラリーマンをやっていてもその土地を相続し所有することができます。また農地である以上、農業をしなければなりません。ほかの用途で使うことは簡単には認められません。これが耕作放棄地を増やす要因にもなっています。いまは本気で農家を目指す若者も少しずつ増えています。そんな若者を呼べればいいのですが、どんどん広がっていく放棄地に追いつきません。

もちろん、だからといって貸し農園を広げたところで、すべての耕作放棄地がよみがえるわけではありませんが、放っておくよりはマシではないでしょうか。それがその土地に愛着を湧かせるきっかけになるのであればなおさらです。


田んぼは生きるエネルギーを生み出す装置

田植えや稲刈りだけでなく、1年を通じて田んぼを見ていると、自然を体感することができます。水を抜いた冬の田んぼでも、苗を植える前の水を張っただけの田んぼでも、そこには植物、昆虫、動物などいろんな生き物がいます。田んぼは人工物のなかで唯一、自然のサイクルに取り込まれた装置です。このコラムのタイトルでもある「生きるエネルギー生み出す装置」なのです。実際に田んぼにかかわれば、すぐに実感できると思います。

これはデータがあるわけでもなく、情緒的なことしか言えないのですが、田んぼにかかわることでパワーやインスピレーション、安心感や癒しなどを得ることができ、農をからめた新たなビジネスが生まれやすくなると私は思います。それはやがて耕作放棄地の減少にもつながっていくはずです。『職農近接』はそこで働く人の気持ちを動かす大きな力が秘められているのです。





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