Insight Vol.01

2020/03/25

◆Insight

t f B! P L
『Re Define』~再定義
この『Insight』というコラムでは、そのときどきの時流を切り出していきます。今回のテーマは、『Re Define』~再定義。


100年に一度の大変革期

数年前から「自動車業界は100年に一度の大変革期を迎えている」と言われています。CASEとかMaaSといった言葉を聞いたことがあると思いますが、自動車がネットとつながり、電動化され、自動運転が可能になり、シェアが当たり前になったとき、車は自動車メーカーでなくても作れるようになり、サービスを提供するツール(部品)になってしまいます。
日本国内の新車販売台数はずっと右肩下がり。まだ地方では車の需要は根強く、一家に1台どころか、1人に1台という家庭も珍しくありませんが、都会にいれば移動は電車やバスのほうが楽だし早くて正確。車を持っていてもふだんは使わないという人も多いです。
大変革といわれるなかで最も象徴的なのが「シェア」。車は使いたいときに借りればいいという人が増えています。カーシェアリングならスマホで予約も決済も簡単。また維持費を考えればタクシーのほうが割安の場合も。Uberのようなライドシェアサービスならすぐに来てもらえるし、もう車を個人で所有する必要はないのです。移動手段としての車は、『所有するものから、シェアするもの』へと再定義され始めています。
こうなると車は需要の分だけあればよく、車庫で寝ている車は必要なくなり、さらに新車が売れなくなります。個人で所有しなくなれば、自動車メーカーが売る相手も変わってきます。スマホと同じように車がサービスを提供するためのツールになれば、自動車業界もサービスを提供する会社にならなければ生き残れません。モノづくりからサービス業への転換=再定義が始まっています。まさに、100年に一度の大変革です。

ITはムダ、ムラのない世界をつくる

これは1つの例ですが、ITが常にネットワークにつながり、安価に身近に利用できるようになったことにより、ムダ、ムラのない世界が生まれ、さまざまなものごとが再定義を余儀なくされています。そんなことはわかってるよ!とおっしゃるとは思いますが、いまあらためてこんな話をするのは「モノ」や「人が提供してきたサービス」にまで再定義の対象が着実に広がり、しきい値を超えるものが増えていることを再認識してほしいためです。

変わる選択基準と社会課題の解決

私は「マーケティング」「ツーリズム」「ソーシャル」の3つで地方と都会を「つなぐ仕組み」をつくろうとしていますが、この3つにも再定義は不可避です。世の中が再定義され、人の心の動きがどう変わり、それに合わせた仕組みをつくるにはどうしたらいいのかを再考しています。
人は1日に数百回も選択をしながら生きているといわれます。人の心の動きが変わるとは「選択基準の変化」です。たとえば、「同じスペックなら安価な方を選ぶ」という選択が、「高価でも環境保護につながるほうを選ぶ」という選択に変わるなどです。このように社会課題の解決と結びつく例は増えてきています。ただ、選択基準が変化しても行動が変わらなければ実態は変わりません。それが東京オリパラを境に行動にまで変化が起きると予想していました。変化が起きるというよりはそれまであったものが顕在化するというイメージです。それが新型肺炎の世界的な感染拡大で、その時期が早まったような気がします。


上図は地方と都会をつなぐ3つの視点とそれぞれのキーワードをまとめたものです。これらを取り込んだ新たな考え方が、いま求められています。これから3つの視点に沿って、それぞれの具体策を連載コラム形式でお話ししていきます。




このブログを検索

My Profile

職業:旅人
コピーライター
フードツーリズムマイスター

Contact Us

名前

メール *

メッセージ *

注目の投稿

「田んぼ」は生きるエネルギーを生み出す装置

QooQ