マーケティングにも再定義の波が打ち寄せてきています。このコラムでは、もっとも代表的なフレームワークである「3Cと4P」を再定義し、実践まで考えていきたいと思います。
「マーケティング」とは?
ここ数年で、民間企業はもちろん、これまで縁遠かった国や自治体の方までもが口にするようになった「マーケティング」という言葉。一方で民間企業でも「うちには関係ないよ」とか「よくわからない」という方もまだまだ少なくありません。これとは反対に、言葉の意味は知らなくても無意識にマーケティングを実践している方もたくさんいらっしゃいます。マーケティングを再定義する前に、現状を確認しておきたいと思います。米国では1950年代からマーケティングが企業経営に導入されていました。それをひと言でいえば、自社がいる市場を分析する「セグメンテーション」、お客様の生活や行動パターンなどを探る「ターゲット(分析」」、その市場で自社が取るべきスタンスを見きわめる「ポジショニング」の3つを考えていくことで、それぞれの頭文字を取って「STP」と呼ばれています。この3つを考える際に使われるフレームワークが「3C」です。これに自社の製品やサービスについて考えていく「4P」があります。3Cや4Pのように、さまざまな手法を複合させて解を見つけていくことをマーケティングミックスともいいます。
「3C」と「4P」 おさらい
「3C」は、「Customer(顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」の3つの頭文字を取ったもので、ある市場の中での、自社の立ち位置と競合との関係、顧客や見込み客との関係を考えるものです。「4P」は、「Product(製品)」「Price(価格)」「Place(販売する場所、方法)」「Promotion(宣伝等)」の4つの頭文字を取ったもので、自社の製品やサービスそのものを考える際に使います。
私はビジネス系の出版社に在籍し、30年以上にわたり自社製品はもちろん、さまざまな業種のお客様のマーケティングを担当してきました。その経験からいえることは、マーケティングとは『試行錯誤』である、ということです。では何を試行すればいいのか?と悩んだとき、その指針が3Cであり、4Pでした。思ったように売れないとき、何かをしなければ、と焦りますが、その時に立ち返るのが、この2つだったのです。
世界中で半世紀以上も活用されてきた古典ともいえるこの2つのフレームワークですが、いま、ついに形を変えようとしています。
「3C」→「2C」に、「4P」→「5P」に
コラム「Stream」で書いた通り、ITが安価で身近になったことで人の心が徐々に変化し続け、「選択基準」が変わり、そのうねりが「行動の変化」となって東京オリンピック、パラリンピック後に顕在化すると考えていました。これがコロナウィルスによる感染症後の「ニューノーマル」という新たな軸を加え、顕在化の動きは加速しているように見えます。マーケティングにおいては、3Cは「Customer」と「Company」がいっしょになり「Community」となって「2C」に、4Pでは新たに「Partner」が加わって「5P」になります。
次回以降、詳しくお話しいたします。
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