「フードツーリズムマイスター」。聞き慣れない言葉ですが、資格であり、仕事でもあります。その土地ならではの食と食文化を再発見し、その食を味わい、食文化を体験してもらう旅を企画する仕事です。
「フードツーリズムマイスター」ってどんな仕事?
再発見するのは、食材、料理人、食す場所、調味料や酒はもちろん、生産者や料理人などそれらに関わる人、その土地の文化、歴史、気候、風土などなどです。そこにあるかぎりの要素をかき集め、その土地ならではの魅力あるストーリーを紡ぎ出すのがフードツーリズムマイスターです。国内外を問わず旅が好きで、食べることも大好きな私には、「なんて楽しい仕事!」「天職のような資格」と思わず取ってしまいました。といっても、なかなかこれ1つで食べていくことはできそうにありませんが。いまはわざわざその土地に行かなくても、通販などで全国各地の食材や料理が手に入れられるようになりました。でも、いくら現地の食材が入手できても、同じ味を再現するのはむずかしいことです。また料理というものは食材や味だけで美味しさが決まるものではありません。その土地ならではの風景や雰囲気、サービスしてくれる地元の方々などいろんな要素が重なり合ってできています。料理というのは美味しい食べ物という「モノ」ではなく、現地に行かなければ体験できない「コト」なのです。
その土地ならではの食と食文化を発掘、再発見しストーリーに仕上げていくには手法がありますので、このコラムでもご紹介していきます。これらの手法に基づいてストーリーをつくり、それを発信し、一人でも多くの方に現地を訪れてもらうことがフードツーリズムマイスターの仕事です。
瀕死の大打撃
いまツーリズムはコロナウィルスによる世界的な感染症の拡大によって大打撃を受けています。特にフードツーリズムという点では感染拡大を防ぐため店を閉めなければならないという状況で、もう瀕死の状態です。レストランや居酒屋などで料理を出せなければ、そこに食材を卸す方々や生産者も影響を受けます。それらのほとんどは中小企業どころか零細企業や個人事業主の方ばかりです。地元で料理を出す旅館などでは、これを機に廃業を決めたところも少なくありません。この数年、インバウンドが追い風になり、日本人もその波に乗って、旅行をする人は毎年、着実に増えてきました。国による地方創生という施策でも、「観光」による地域の活性化は大きな柱となっています。全国でいくつもの成功例も出てきました。そして、いよいよ今年はオリンピック・パラリンピック!そんな矢先だったのに、、。
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