「フードツーリズムマイスター」ってどんな仕事?

2020/06/15

◆Tourism_1

t f B! P L
Vol.03 いま観光地にできること
私の経験では、『地元の人ほど、地元の良さに気づいていない』。観光資源は域外の人に発掘されることも多く、外国人が日本を再発見してくれることも多々あります。

いまは観光資源を発掘する時

これからの旅は、「暮らすように旅をする」スタイルになっていくのではと考えています。それは暮らしているかのようにその土地を知れば安心感が生まれるからです。一方で安心ばかりでは旅ではなくなります。「行く(または関わる)たびに発見がある」ことも欠かせません。感動や好奇心をくすぐる体験なくして旅ではありません。これをふまえて、域外の者の目線から、いま観光地がすべきことを、3つ、提案します。

暮らすような視点で

観光地のパンフレットを見ると、桜や新緑、夏の海や山、紅葉、雪景色に温泉など季節ごとに見どころを紹介しています。その土地の方がぜひ見てほしいと思うものです。もちろん間違いなどではないですが、これでは全国どこでもほぼ同じ。その街に住んで、毎日、出勤する際にみる何気ない風景を1週間に一度、同じ場所から同じアングルで撮影してみる、これをあえて提案したいです。田んぼや道端に咲く花だったり、山や海だったり、日の出や夕暮れなど毎日、見ていても変化はわかりにくいけど、ずっと見ていると季節が変わっていくのが伝わるような写真や動画をコツコツとアップしていきます。魚屋さんや八百屋さんの店頭などもおもしろいと思います。もし本当に貸せる空き家があれば、毎朝そこから出勤するところを動画に撮るのはどうでしょう?今朝は吐く息が白くなるほど冷え込んだ!とかリアルにわかるといいです。そして、どの写真がどれだけ「いいね!」をもらったか確認しましょう。なぜこの写真に?というのが必ずあるはずです。
ただ、これで街の良さをわかってもらうには、かなりの企画力とそこそこのセンスが必要です。1つおススメなのが『二十四節気』に合わせる方法です。二十四節気は1年を24に分けて季節の特徴を表したものです。「立春」や「冬至」などは皆さんもよくご存知だと思います。中国から伝わったもので、元々は農事を営むためのものでした。これに「八十八夜」や「二百十日」など雑節を組み合わせれば、この街の1年はこんなふうに移り変わっていくのかと感じてくれると思います。

食材を「作る人」と「活かす人」が密になる

いま密は避けるものですが、これは「すべき密」です。和食、洋食、中華、パンやケーキ、お菓子などジャンルを超えた料理人が集まり、魚、肉、野菜、調味料などの生産者と話し合ってください。ふだんから地元の食材を使っていらっしゃると思いますが、それをもう一度、確認していただきたい。新たな食材を見つけ、レシピを考えたり、使われずに捨てられている食材がないかをチェックし調理法を考えてみたり、おばあちゃんしか知らない料理とか催事のときだけに作る料理などを再発掘してほしいのです。
新潟県長岡市、古くから味噌や醤油の蔵がいくつもあり、東京などの料亭に卸すほど品質も高く評価されていました。2004年、中越地震が発生、多くの蔵が大きな被害を受けました。そんな蔵を救おうと街の飲食店などが新たなメニューを考え、これまで以上に醤油や味噌を使うようになりました。新メニューはいまでも好評だそうです。これにより地産地消が進み、地元だけで経済(お金)が回るようにもなりました。地元の食材を使った料理を、地元の人が買って食べる、こうしてまず域内の経済を回すことが大事です。それから、域外の方にアピールしていく。これをいますぐやってみてほしいのです。

3番目の「オンライン居酒屋」は、街への入り口。次回、詳しくお話しします。



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