「田んぼ」は生きるエネルギーを生み出す装置

2020/07/15

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Vol.03
 『自給自足するのに、どれだけの田んぼが必要?』 
ところで、皆さん、大人ひとりが1年間に食べるお米の量がどのくらいかご存じでしょうか? 

1年間に食べるお米の量は?

時代劇などに出てくる米俵、これ1俵で約60kgのお米が入っています。昔から変わらず、これがお米の1人あたりの年間消費量と言われています。農水省の統計などによると一時は70kg近くありましたが、パン食が増えたり、食べ盛りの若者の人口が減ったり、ダイエット志向の高まりなどもあり、年々、減り続け、現在は60kgを少し切るくらいまでになっています。
では、60kgの米を収穫するにはどれくらいの大きさの田んぼがあればいいでしょうか?考えたこともないのではと思いますが、だいたい120平方mの田んぼが必要とされています。ということは10m×12mの大きさの田んぼがあれば1人分を賄えることになります。稲は天候などによって収穫量は大きく左右されますし、苗の植え方などでも変わってきます。来年用の種もみを残すことも考え、余裕をみると10m×15mくらいの田んぼが必要になります。ちょっと想像してみてください。意外と小さいと思いませんか?

仲間がいればできる

米は苗をつくるのにとても手間がかかります。種もみの選別から苗にするまでに、2,3か月かかります。ただ、田植え後は、月に1,2回、田んぼに通うだけです。私がお借りしていた田んぼでは鳥が頻繁にやってきて雑草を食べてくれるそうで、田植えから稲刈りまでホントにほったらかしでした。田植えや稲刈りなどは、その時期に集中してやらなければならないため、一緒に田んぼをやる仲間は必要です。それ以外の時期も同じ仲間と組んで代わりばんこに田んぼに行くようにすれば、サラリーマンをやりながらでもやっていけます。

日本の農地の現状と耕作放棄地

国の統計データによると、2015年時点で全国の畑と田んぼを合わせた農地は449万6千ha(ヘクタール)、この20年で約50万haも減少しました。うち田んぼは244万6千ha、畑は205万haとなっています。そのうち耕作放棄地は42万3千haと1割近くにまで増えています。参考までに、ha=ヘクタールは10,000平方mですので、タテ100m×ヨコ100mの広さになります。また耕作放棄地とは、「以前、耕作されていた土地で、1年以上、耕作されておらず、これから数年も耕作する意志のない土地」という意味です。耕作放棄地も数年、経ってしまうと、元の農地に戻すことができなくなり、「荒廃農地」になります。荒廃農地とされると農地にカウントできなくなり、農地が減少していくのです。(出典:平成28年4月「荒廃農地の現状と対策について」農林水産省)
これだけの耕作放棄地があるのなら、自分用の米をつくるために貸してもらえないのだろうか?と思いたくなりますが、これが簡単な話ではないのです。そのために、なぜ、耕作放棄地や荒廃農地が増えているのかを考えてみましょう。大きな理由は3つ、あります。


次回は、さらに詳しくお話しさせていただきます。



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