Vol.05 「ファンづくり」
コロナで外出自粛が続いていたころ、自粛期間が終わったら、あなたは最初にどこに行こうと考えていましたか?
「ファン」とは何か?たとえばラーメン屋
最初の問いに、飲食店をあげた方はけっこういらっしゃるのではないでしょうか?たとえば、ラーメン屋さんとか。都内のある人気ラーメン店では、休業せざるを得ないため運転資金が足りなくなり、「ラーメン券」を販売していました。近い将来、営業できるようになったときに使える券です。これが飛ぶように売れて、その店はなんとか資金をつなぎ、再び開店にこぎつけました。券を買ってくれたのはもちろん、この店の常連さん。このラーメンが食べられなくなったら困る!という方たちだと思います。これがファンです。
その店に通っていた方々ですから、ラーメン券を10枚、20枚、買っても、いつかは使えるでしょう。ムダになることはないと思いますが、これはもう単なるお客さんの域を超えていると思いませんか?これこそ「ファン」です。共同経営者や株主に近いような感覚だと私は思います。また店主のほうも、これだけ支えてくれるお客さんがいるなら、なんとか復活しなければ、もっとおいしいラーメンを、と思ったはずです。こうして売り手と買い手の垣根を超えたコミュニティが生まれていきます。
観光地に関わっていただく
このコラムの第3回で、私は、「そこに行く観光から、関わる観光へ」と提案しました。「関わる」とは、まさにこのラーメン店とお客さんのような関係、ファンです。前回に書いたように、まずはSNSなどでのつながりから始まり、その街のことを本当に好きになってもらい、次にお金を出してもらうのです。この「お金を出す」という行為があって初めて、ファンといえます。「お金」というと何か粋ではない、やらしいかんじがするかもしれませんが、ファンからすればお金を出すことは、相手の役に立ててうれしいと思う行為であって、Win-Winな関係であって、そうでなければファンではないのです。冒頭のラーメン店と違うのは、観光地とお客さんの間に物理的な距離があることです。電車やクルマで数十分、もしかしたら歩いて数分、というお客さんもいるでしょう。思い立ったらすぐに行けます。でも観光地の場合はそういうわけにはいきません。それを解決するのが、『オンライン居酒屋』なのです。
「なんでもオンライン」が生んだ新しい観光
自粛期間が明けたら行きたいところとして、飲食店をあげた方は多いと思います。私もそうでした。やはり「食」というのは、欲求を押さえにくいもの、癖になるものなのだと思います。その街の居酒屋でもラーメン店でも、定食屋や食材を売る魚屋や肉屋、総菜屋でもいいです。とにかく、食にかかわるお店はどんどんライブ中継しましょう。これに日常の何気ない風景なども織り交ぜ、街のいまをライブで見せていきましょう。こうして街じたいをネットの世界に再構築していきます。
次回に続きます。
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