Vol.06 「ネットの世界に街を再構築」
ライブ中継で、あなたの街のファンを増やしていくとは、具体的にはどういう手法なのでしょうか?
「あつもり」
コロナで外出自粛になったころ、任天堂の『あつまれ どうぶつの森』(あつもり)が話題になりました。これがやりたくてNintendo Switchを購入した方もたくさんいらっしゃいます。いわゆる「巣ごもり消費」の代表格とも言われました。
街のライブ動画をどこにアップするか?手軽なのはYouTubeか、インスタグラムとかでしょうか?いずれにしても、これまでのSNS上では、動画の1つ、1つを個別に見ていかなければならない仕組みになっています。たとえば、3本の動画を順番に見てほしい、と思っても、1本目を見終わったあとに、うまく次をリコメンドできないのです。1本、観るたびにその世界観から現実に引き戻され、その間にユーザーはほかの動画へと移っていってしまいます。動画などのコンテンツを見せるには、さらに、もっと「我が街」にハマってもらうにはどうすればいいでしょうか?この新しい見せ方のヒントが、冒頭の「あつもり」だと考えています。
「あつもり」には、観光局まであります。どうやってゲームの中で過ごせばいいのか、直感的にわからない方もいますので、ここでの暮らし方や楽しみ方、イベントなどを丁寧に教えてくれます。これにハマってしまう人がいるのもうなずけます。でも、ここで問題が。自分の街をこのレベルで作り込むとなると、億単位の投資が必要なことです。
なぜ、ハマるのか?
投資がムリでも、ハマる理由は知っておきましょう。「あつもり」は、まず島の住人になるところから始まります。最初にオリエンテーションをこなすと元手になるお金(ベル)がもらえ、島での活動を始めることができるようになります。魚を釣って売ったり、「カブ」で投資のようなこともできます。ベルが貯まれば服や家具などが購入でき、自分らしいライフスタイルをつくっていくことができます。お金(的なもの)を使うだけでなく、稼ぐことができ、好きなことに使えるというところが、1つのハマる理由ではないかと思います。そのために、買いたい!と思わせるアイテムを用意し、稼げる機会も与えてくれるのです。このサジ加減が絶妙なのです。
ゲーミフィケーションと社会課題の解決
ふだんやっていることにゲームの要素を加えることを「ゲーミフィケーション」といいます。勉強やダイエットのための運動など毎日、やらなくてはならないのに、長続きしにくいことっていろいろありますよね?これにゲームの要素を加えると、長続きするようになることがあります。毎日、1km走るとポイントがもらえ、それを貯めると好きなものと換えられるといった簡単なものから、身体を動かすことでキャラクターが戦い、次のステージに行けるようなゲームもあります。高価なシステムは作れなくても、ゲームの要素を取り入れることならできないでしょうか?街をネットゲームの中に再構築し、サイバー世界でいろんな体験をしてもらう。ときどきリアルな世界とつながるようにしておいて、ライブ中継を見てもらったり、リアルに買い物(EC)もしてもらいます。そうしているうちにポイントが貯まるようにします。でも、貯めたポイントは1ポイント=1円で使えます、というのはやめましょう。単純なポイントでは大手が運営するサービスには到底、かないません。
ここで考えてほしいのが、「お金では買えない満足」です。お金を払うほうが、「ありがとう」とお礼を言いたくなるような「満足感」を提供すること、それは社会課題の解決につながることだと思います。自分が世の中の役に立っている、という感覚は、人間が持つ非常に高度な欲求を満たしてくれます。
次回も続きます。
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