「田んぼ」は生きるエネルギーを生み出す装置

2020/11/05

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Vol.06 『サードハウスからの贈り物』

サードハウスを持つことでどんなメリットがあるでしょうか?少し違う視点も交え、考えてみます。


都会には「余白」がない

人手不足、ネットの普及などで、1人あたりの仕事量が急増、働く人は時間の余裕がなくなっています。そのうえ、家事、育児など「やらなくてはならない」ことに追われる毎日。たまの休暇でもぎっしりスケジュールを詰め込まざるを得ないので、「やりたい」ことなのに「やらなくてはならない」ことになってしまい、時間に追われ、疲れてしまう。時間的にも経済的にも、そして世間体という意味でも、「余白」がなくなってきています。それがストレスを生み、心を病む原因にもなります。


田んぼはやさしい!

以前、お世話になっていた農家さんは無農薬、有機農法で野菜を作り、それを会員向けに直販しています。このスタイルを1970年代の後半から続けています。野菜を農薬を使わず、農協を通さず販売する、いまではこのようなスタイルの農家さんも少しずつ増えてきましたが、当時は画期的なことです。この農家さんはもちろん、田んぼも無農薬。おかげで田植えや稲刈りで田んぼに入ってみると、いろんな生き物が田んぼやそのまわりにいることに気づきます。田植えのときであれば、オタマジャクシやカエル、ザリガニなど水生の生き物、ミズスマシやゲンゴロウのような昆虫、タニシもたくさんいます。“ホーホケキョ”という鳥の声も聴こえてきます。稲刈りのときにはたくさんのトンボが空を舞い、バッタが飛び跳ね、小さなヘビも出てきます。これだけ多くの生き物を育む田んぼは、生き物にやさしい、ゆりかごのような装置なのだと感じます。まさに「田んぼは生きるエネルギーを生み出す装置」なのです。しかもそれを人間が作っている。農家の方を尊敬します。田んぼに携わることで自分も大きな大きな自然のサイクル=生態系への仲間入りをさせてもらったような気持ちになります。そのなかに居れば、いままで悩んでいたことも小さなことだなあ、と思えるほど。


再び、「米と味噌さえあれば生きていける」

米づくりにはいろんな工程があって、田植えと稲刈りは一部にすぎません。だとしても、この2つに携わることができれば、十分に「自分の米」と自覚することができます。そういうお米はどんなブランド米よりも美味しいものです。ついでに味噌づくりも農家の方に教えていただければ、当座の食糧には困らない、といった、変な自信も生まれてきます。実はこれが「余白」になるのです。さらにサードハウスを持てれば、何かあったときに逃げ込める場所が確保できる。このことは大きな気持ちの「余白」となってきます。「保険」と言ったほうがわかりやすいでしょうか。

サードハウスはストレス対応だけでなく、災害対策としても有効です。実際に兵庫県のある町では、大地震などの災害が都市部で起きたときに避難できる空き家を用意し、賃料を取って貸し出すサービスをしていたところもありました。その町では地震が起きなかった年は、払った賃料の一部が地元産の農産物として戻ってくる仕組みにしていました。

コロナでテレワークが普通のことになったいま、サードハウスにはいろんな活用法が生まれてくるでしょう。そのためには里山側でのさらなる施策や工夫が求められてきます。





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