「田んぼ」は生きるエネルギーを生み出す装置

2021/02/05

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Vol.08 『ニューノーマルにおけるサードハウス』 その2

住む場所、サードハウスは背中を押す力にはなりますが、それを継続させるためには何が必要でしょうか?


いま仕事はないが、地方に不足している人材

各地によって大きな差がありますが、わかりやすくいえば、地方には農林業や水産業など第1次産業に従事する方の比率が都市部よりも高くなります。小売など商業や、飲食はありますが、人口が少ないため大きな産業とはいえません。そこそこの人口をもつ地方ではショッピングモールなどが郊外にでき、小売も飲食も客を取られています。これらは都市部に本社を置く企業が運営しており、地元に雇用は生まれるもののその街の産業とはなりにくいのです。近年、観光業が注目されていましたが、コロナの影響をもろに受けてしまいました。

こう書いてしまうと、地方に不足している人材なんてあるのか、と思いますよね。実は前回、テレワークできる業種の代表格としてあげたIT。地方には圧倒的に不足しているのです。テレワークできる広義のIT関連の方をこのコラムでは「IT人材」と呼ぶことにします。これらの方々の多くはリモートでこれまで同様に仕事ができます。一方、いまの地方にはIT人材の方の仕事は少ないのが現状です。ただ、仕事がない、のではなく、地元の企業にITを活用する機会や資金があまりなく、そもそも活用すると何ができるかを教えてくれる人がほとんどいないため、IT関連の仕事が生まれにくいという負のスパイラルになっています。


高校生だってIT

私はとある地方に年に数回、出張しています。そこは神話に出てくるほどの歴史を持ち、海の幸に恵まれ肉もおいしく、温泉もあるところです。そこで自治体の方に頼まれて、「新規事業を創造する思考法」といったセミナーを開催したことがあります。そのため県内のいろんな業種の方々に声をかけていただきましたが、残念ながらIT系の方は1人もいらっしゃいませんでした。そもそも声をかけられる企業があまりないそうです。また、これとは別に、この地方の高校生が、「街の社会課題を解決する方法を考えてみた」というテーマでプレゼンしているのを聴く機会がありました。高校生は、ユルめではありますがエビデンスに基づいた解決策をプレゼンしていて、解決手法にはIT活用が盛り込まれていました。これらは机上のブレストの域を出ませんが、新たな事業を創造するのに、IT系の方がいらっしゃらないのは、いまの時代、重要なピースが1つ欠けてしまっていると思います。


まずは「場」づくりから

都市部にいるテレワークできる人材、つまりIT人材の方々を地方に呼び込むため、いま各自治体はかなり積極的に動いています。それらの施策を見てみると、家賃の補助など経済的な支援がほとんどです。地元の企業との交流を考えている自治体はあまりないように見受けられます。一方で、呼ばれる側のIT人材の方々にはせっかく地方暮らしを始めるのなら、「地元の方々との関わりを持ちたい」と思っている方は多いと思います。それができるチャンスがあることこそ、「背中を押す力」になると私は考えています。

これをいち早く、察知し動いていらっしゃる現地の民間企業やNPOもあります。コワーキングスペースなどを新たにつくり、気軽に交流ができる場をつくり始めています。





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