マーケティングを再定義

2021/04/15

◆Marketing_1

t f B! P L

Vol.10 『SDGsから見えるマーケティングの広がり』

SDGsを経営に取り込もうとするとマーケティングのカバー範囲が大きく広がります。


経営とマーケティング

前回、お話ししたように社休日を増やすことや、経営が苦しくなってもリストラしない、といったことも広い意味での「マーケティング」のカバー範囲と考えられるようになってきました。これらの施策はそもそも経営課題とおっしゃる方もいると思います。マーケティングというよりはブランディングや旧来のCSRに近く、トップの専権事項だと考える方も多いでしょう。もちろん決定においてはトップのみが判断しうるものです。一方でトップが決定したことを社内外に浸透させる部分では、マーケティングに含めたほうが理解しやすいのではないでしょうか?社内、特に経営層ではない社員に対しては説明しやすいと思います。


カバー範囲の広がり

マーケティングは「戦略」とも、「戦術」や「手法」ともとらえることができます。プロダクトやターゲットの大きな変更や新規事業といったシーンでは「戦略」といえますが、前述のカバー範囲の広がりという点では「戦術」や「手法」ととらえたほうがいいかもしれません。

社休日を増やした旅館の例でいえば、「社員の皆さんの日ごろのがんばりに報いるために年中無休をやめ、週に一度、社休日を設けました」とだけ説明するよりも、それによって旅館のイメージアップにつながる、休みを与えることによって接客態度にいい影響をもたらすことを期待しているといったことを、きちんと伝えたほうが、より社員の皆さんに理解されると思います。この期待する効果の部分まで含めれば、それはマーケティング手法そのものです。これまでの売上重視の経営から、客単価を上げて効率よく利益を上げる経営へシフトするためのマーケティング手法といえます。


地方の企業が取るべき1つの「手法」

いま小学校から高校まで授業の内容が大きく変わろうとしています。ぜひ一度、地元の学校を訪ねてみてください。というのは、2020年度から2022年度にかけて『社会に開かれた教育課程』をめざし、学習指導要領の改訂が順次、行われているからです。この「社会に開かれた」というのは、具体的には地元の方々とのつながりをより深めていくことです。企業とのつながりでいえば、工場見学や企業の方が講師となる出前授業などを増やしていきたいという狙いのようです。


教育現場は、ともすれば社会と孤立した閉じられた空間になりがちで、その現場は「昭和から変わっていない」と揶揄されることもあります。世の中の変化が激しく、いまの小学生が就職するころには65%の人がいまは存在しない職業に就くともいわれる時代に、社会に出ても通用する教育内容にしようというのが、今回の改定の目的です。また、生徒1人に1台、タブレット端末を、というGIGAスクール構想も以前からありましたが、コロナのおかげでようやく実現にこぎつけました。

生徒の皆さんは授業のなかで、地域を活性化するアイデアなどもディスカッションしています。なかには非常に秀逸なアイデアを発表している生徒さんも大勢、現れています。企業としては、地元の子どもたちのために何かしてあげよう、という程度の立ち位置ではなく、新しいアイデアを考える仲間として、対等に話し合い、影響し合えるような関係を築き上げていくくらいの真剣さをもって学校を訪ねてみてはいかがでしょうか。





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