「田んぼ」は生きるエネルギーを生み出す装置

2021/04/25

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Vol.10 『次の時代を担う世代と』

「移住ありき」、ではない、地域との新しいかかわり方を、いまこそ高校生と形にしましょう。


「移住」にこだわらない

世界中で取り合いになっているIT関連人材を地方に呼び寄せることはとてもむずかしいことです。まずこの認識をしっかり持ち、「移住」という政策を見直すべきだと思います。きっぱり忘れましょう。テレワークが一般的になり、たしかに2020年は東京都からの転出が転入を上回り、わざわざ東京に住み続ける意味が薄れているのは事実です。ただ、テレワークの進展で東京を転出した方の多くは、東京や首都圏の企業に勤めながら周辺の各県に移住している例が多いのです。仕事が東京周辺にあることには変わりありません。こういった移住者をもっとも多く受け入れているのが静岡県です。場所によりますが東京から新幹線で1時間前後、出社することになったとしても大きな負担にならないことがその理由だと思います。東京から遠く離れた地方で、このような方に移住してもらおうという政策は有効とは思えません。


仕事だけじゃない、何か「おもしろそうな」こと

地方に人を呼び寄せるために、生活していくのに十分な給料を払える仕事があれば一番ですが、何か「おもしろそうな」ことが起きていれば、リモートで人を集められる可能性はあります。前回のこのコラムでも書きましたが、お金だけでなく、自分が必要とされている、社会に貢献できているという実感は、人材を吸い寄せる非常に強い求心力になります。

「おもしろそうな」ことを立ち上げ、リモートで参加してもらう体制をつくること、これが最初に着手すべきことです。そのうえで、「あなたの田んぼ」と「あなた自身がつくったお米と味噌」があれば、移住まではしてくれなくても、ふるさと納税のような返礼品だけのお付き合いよりは、ぐっと深いものになるはずです。


「次の時代を担う世代」との対話

「おもしろそうな」こと、ってどうやって始めればいいでしょうか?私はその答えを地元の高校生に聞いてみるべきだと考えています。

スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんは皆さんもご存知と思います。彼女は今年、2021年1月に18歳になりましたが、15歳から活動を始め、翌年の12月には第25回気候変動枠組条約締約国会議(COP25)にも出席しています。飛行機を使わずヨットで大西洋を横断するなど、私のような大人からみるとずいぶんストイックな活動をしているなあ、という印象をもちます。あまり効果はないようにも見えますが、なぜここまで?と考えてしまいます。でも、彼女たちの世代が社会を動かすことになる2030~2050年代の世界は、相当、住みにくい世界になっていることが予想されており、かつ、それはいま行動を起こすことで、相当程度、回避できるものだということもわかっています。だからあれだけ真剣になれるのです。

日本の高校生たちも負けていません。将来の世界を憂い、何かしなければと考え、実際に行動に移している生徒たちも少なくありません。そんな高校生たちに知見や人脈、ちょっとしたスキルなどを教えらえる機会があったら、こんな「おもしろそうな」ことはないと思います。ここに世界中から人材を集めることができたら?







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