「フードツーリズムマイスター」ってどんな仕事?

2021/06/15

◆Tourism_1

t f B! P L

Vol.12 「域外の方の目で、地元の良さを見直す」

「観光」は域外の人を呼び込むツールと考え、産業に育てるには元になる核を地元でつくる必要があります。


もう一度、「域内で経済を回す」ということ

コロナで移動が制限されると、新たな観光喚起策として『マイクロツーリズム』が提唱されました。自分が住む町内を観光してもらうのです。近場だけど宿泊していただいたり、地元でとれた食材で料理を提供したり。利用者側は地元の魅力を再発見し、観光サービスを提供する側は食材を提供してくれる農家や畜産、水産業の方と、あらためて話す機会を持つなど、どちらにとっても観光を見直す時間を得ることができたと思います。これは「観光」とは言いつつ、地域だけで循環させることができる地場産業といえます。

「観光」は域外の人を呼び込むツールであり、観光客だけをマーケットとしていたら産業として育てることはできません。地元の経済循環とはまったく独立した観光客向けだけのサービスでは、季節変動も大きく、産業としては足腰の弱いものになってしまいます。これまでもこのコラムではお話ししてきましたが、地元に核となる産業があり、域内で回っているところに、観光客という需要をオンして、ひと回りもふた回りもパイを大きくしていくことが、産業としての「観光」のあるべき姿だと思います。そして、ここでいう観光産業の主役は第1次産業と飲食や食品加工になります。


クラウドファンディングへの地元からの出資者

前回、おススメしたクラウドファンディング、地元から出資する人には、いろんな職業や立場の方がいらっしゃるでしょう。いずれにせよ我が街を良くしていこうと考え、お金を出してくれる方々です。この方々に積極的に関わっていただき核となるものをいっしょにつくり育てることが最初の一歩です。

それは新たにつくるというよりは、見直すという作業になると思います。そのときに頼りになるのが域外からクラファンに出資してくれた方々です。地元にいる方には、かえって地元の良さが見えないことがあります。逆に、売りだと思っていたことが、都会の方々には刺さらないこともあります。なぜクラファンに出資してくれたのか、ひとり一人にインタビューしてみるのもいいかもしれません。



いま農業がアツい

かなり前から、私の感覚でいうと2008年のリーマンショックあたりから、農業に興味を持つ人が年代を問わず増えているように思えます。家庭菜園、ベランダ菜園の延長くらいという方も含めると潜在的には相当な数になると思います。コロナでテレワークが定着し、週末の3日間とか、月の半分は都会を離れて地方で過ごすというライフスタイルが可能になると、「週末農家」が一気に顕在化しそうな気がします。こういう人たちを取り込むのも手ではないでしょうか。観光というよりはデュアルライフと言ったほうがよいかもしれませんが、買い手でもあり、担い手にもなる貴重な存在で、ぜひ巻き込むべきです。これに地元の中学生や高校生などの若い世代も巻き込み、核となる何かを見つけましょう。

もう一度、言いますが、核となるものは新たに作り出すのではなく、いまあるものを見直すことによって発見できる可能性が高いのです。そのために域外からクラウドファンディングに出資した方、地元の若い世代を積極的に巻き込みましょう。





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