「田んぼ」は生きるエネルギーを生み出す装置

2021/07/15

◆Social_1

t f B! P L

Vol.12 『暮らしに農を取り入れる』

農業はいまもっともポテンシャルのある生き方。これをもう一度、お話しします。


「なりわい」ではない「農」

「農業」というと「なりわい」、「職業」というイメージになってしまうので、農的なことにかかわる、ということで、とりあえず単に「農」または「農事」と呼ぶことにします。

このコラムの最初のころ、農業だけで生計を立てていく、「なりわい」としていくのは大変、という話をしました。一方で、農業というか、「田んぼ」には人の気持ちを落ち着かせる効果があって、このコラムのタイトル通り、「生きるエネルギーを生み出す装置」として、かかわる者を生態系に取り込み、心をリラックスさせてくれる、という話もしました。このコラムで、ずっと呪文のように唱えてきた、「人は米と味噌さえあれば生きていける」という教えを実感できるのが田んぼなのです。

農業だけで生計を立てていくのは大変です。でも暮らしの中に「農」を取り入れるくらいならできます。コロナによってそれを可能にする環境がさらに整ってきました。


畑と田んぼの違いは大きい

ずいぶん前から家庭菜園がブームになっています。その源泉は無から有を生み出す農にかかわれる喜びだと思います。これが農のポテンシャルです。都会では2畳ほどの菜園を借りて野菜を育てる方がたくさんいらっしゃいます。菜園はどこもキャンセル待ちとも聞きます。大ブームともいえる家庭菜園ですが、でもこれは畑です。これを田んぼに変えられないでしょうか。多くの方が持っている「農」への関心を田んぼにも向けられれば大きな変化が生まれます。ただ、田んぼは良くもわるくも、1つの巨大な「装置」で、共同利用が前提です。畑は畳1枚分ほどのちょっとしたスペースでも可能です。ベランダでも作ることができます。自分の庭を、ちょっと田んぼにしてみようなどということはできません。畑と田んぼ、ここが大きな違いです。


農家とのコミュニケーションが最初の一歩

コロナが広がり、「デュアルライフ」という言葉が再び、脚光を浴びています。「2拠点居住」とも言います。このコラムでは『サードハウス』と名付けました。古くから別荘はありましたが、別荘は「休みの時に遊びに行く」ところで、住む、居住するところという発想はありませんでした。ところがテレワークの広がりによって2拠点目でも都会での仕事ができるようになると、どちらも暮らすための住居にすることができるようになってきました。

2拠点目を検討する人は、実家の近くに住みたいとか、釣りやサーフィンが好きだから海の近くに住みたい、その地域の産物や風景が好きだから住みたいなどさまざまな目的を持っています。本格的な家庭菜園をやってみたい、田んぼもやってみたいという方も決して少なくありません。実際、郊外に引っ越し、自家用とはいえ、かなり大きな畑を手がける方も現れています。

新たな拠点をどれくらい生活のメインに据えるかで変わってきますが、このときに出てくる課題が、2拠点目の地域の方々とのコミュニケーションではないかと思います。地域の方とのコミュニケーションができるようになって初めて、別荘から脱却し、真のデュアルライフ、サードハウスになります。田んぼをやりたくて来た方は当然ですが、私はどんな目的であろうと、農家の方とは必ずコミュニケーションすべきと考えます。

前回に引き続きとなりますが、それは、「農がいまもっともポテンシャルのある生き方」だからです。





このブログを検索

My Profile

職業:旅人
コピーライター
フードツーリズムマイスター

Contact Us

名前

メール *

メッセージ *

注目の投稿

「田んぼ」は生きるエネルギーを生み出す装置

QooQ