Insight Vol.09

2021/07/05

◆Insight

t f B! P L

『オリンピック後の日本と世界』

どんな形であれ東京オリンピック・パラリンピックは開催されます。その後はどうなるのか?


ワクチン

地方に住み老人保健施設に入っている母は、医師が往診してくれる形で、居ながらにして2回目の接種を無事、終えました。私も職域接種で6月末に1回目の接種を終え、2回目待ち。妻も地元の診療所で予約が取れ、再来週には1回目の接種を受けられそうです。国もようやくギアを上げ、1日、100万回以上の接種が進んでいるのはありがたいことですが、大半の国民はオリンピックの開幕までに2回の接種は間に合わず、再び、感染者が増えています。

ワクチンの供給を海外に頼っている日本では仕方のないことではありますが、あと2か月、早くならなかったものか、とても悔やまれます。


活かせないオリパラ

オリンピック・パラリンピックは開催国の経済や社会を一変させます。兆円単位の経済効果、のべでは億単位の人の移動、準備のために作ったさまざまなものの活用、、。半世紀ぶりの一大イベントで東京の景色も変わるはずでした。

それが、今回はどうでしょうか?経済効果は大きく落ち込み、人の移動も激減してしまいました。「本当にやるの?」と思う人も少なくないなか、手にする果実も小さくなりました。次の2024年はパリ、その次の2028年はL.A.とワクチン接種が進んでいる欧米での開催が続きます。パリまでまだ3年ありますが、これまで通りに開催とはいかないでしょう。ただ、東京での経験を通じて、よりスマートにニューノーマルなオリンピック・パラリンピックに対応することができるでしょう。東京はそのための実験場にもなります。東京ではこれまで誰も経験したことのないことをやり、貴重なデータを集めることができます。これを果実としなければ、苦労して誘致したオリンピック・パラリンピックを十分に活かせぬまま終わらせてしまうことになります。


物価はもっと上がっていい

この30年、ほとんど物価が変わっていない日本。むしろ下がっている商品さえあります。日本の物価が何十年も変わらないのは、人件費つまり給料が上がらないからです。給料が上がらないから高いものを買えない、高いものは買ってくれないから売り手の企業は安く売る、安く売るためには経費を削らなければならない、だから給料は上げられない、このスパイラルから抜け出せないのです。

ところが最近、特に輸入に頼っているものは、円安が進み、食品や生活必需品であれ価格が上昇しつつあります。米国では金利が上昇、需給のずれとも言われていますが物価も上昇しています。ただ米国ではこの30年にしっかり給料も上がっています。私は東京オリンピック・パラリンピックがこの負のスパイラルから抜け出すチャンスだと思っていましたが、いま想定されているようなやり方では、到底、そのきっかけにはなりえません。それで物価だけが上昇したら、日本を支えた多くの中間層が貧困層に転落してしまうのです。

日本の実力はこんなものではありません。コロナで後押しされたとはいえ、働き方改革など芽も出始めています。宿泊や飲食はコロナで大打撃を受けましたが、以前は低賃金の温床でした。この業界がやり方を間違えずに立ち直ってくれれば、いいスパイラルがここから始まると思います。





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