マーケティングを再定義

2021/08/05

◆Marketing_1

t f B! P L

 

Vol.13 『マーケティング担当者こそ勇気を持つべき』

「目的が手段になっている」と感じたら、若手に任せてみよう。


マーケティング今昔

デジタル化される前のマーケティングでは、データを集めるということも「目的」の1つでした。もちろん売ることが最大の目的ですが、売れなかった場合、なぜ売れなかったのかがわかるデータがつかめれば、次の戦略を考え、巻き返すことができるからです。でも、デジタルマーケティングになると事情が変わります。デジタルマーケティングは、そのプロモーションが効く、効かないというのではなく、売れる道筋をどんどん探していきます。道筋が見えたら、検討中のお客様がどこで離脱したかを分析(これをカスタマージャーニーなどともいいます)、申し込みボタンの位置がわかりにくかったのか、説明コピーがわかりづらかったのかなどを突き止め、修正し離脱率を下げる工夫をしていきます。こうして、その商材を買ってくれる層(=属性)を見つけ出し、プロモーションを広げていくところまでが「目的」で、データを集めるのは「手段」にすぎません。デジタルマーケティングは、4Pの「プロモーション」に特化したものといえます。プロモーションのPDCAサイクルをとにかく高速回転させるのです。また、どこにターゲットがいるかわからない商材でも見つけ出すことができる利点があります。半面、プレイスはネットのみ、特にスマホ用のアプリに限定されるため、ここにいないターゲット、つまりあまりネットを利用しない層にはアプローチできません。ダイナミックプライシングができる商材であればプライスは試すことができます。ただ、市場の反応を見てプロダクトを改良していくという面では、できる商材は限られます。


手段と目的

前回は、「目的が手段になっていないか?」という話をしました。これまでの手法(ここではアナログと言います)では、まずターゲットは誰かと議論を重ねながら決めます。一方、デジタルではある程度は事前に決めるものの、プロモーションしながら修正していくほうが主流です。つまりターゲットについての議論は「手段の議論」になります。

ターゲットについて議論する時間がもったいない、とっととやってみればいいのに、と若手は感じてしまいます。机上の推論よりも実際に市場の反応を見たほうが確実です。若手にはターゲットは誰?というのは市場に訊くものであって、しかもマーケティングオートメーション(MA)でAIに任せればよいと思っています。

一方、デジタルには、あまりネットを利用しない50~60代以上など、補足しにくいターゲットがあります。ここがターゲットならデジタルは実力を発揮できません。デジタルでもアナログでもすべてをカバーすることはできません。どちらかを優先するか、またはターゲットや商材によって選択することになります。


若手に任せる勇気

上司世代vs若手世代、実は違うフィールドで話をしているのに気づかないまま大きな溝を作っていることもあります。

つい最近のニュースですが、ある会社でコロナのクラスターが発生しました。若手社員が中心でしたが、彼ら彼女らに調査を行ったところ、「社内ではマスクを外してもかまわないと思っていた」と回答したそうです。毎日、テレビの報道番組でも見ていれば、いやでもこのような情報は入ってきますが、若い世代はテレビなど見ません。ネットでニュースは見ますが、ネットでは自分が興味のないニュースは読みませんし、そもそも表示すらされません。

このような情報収集方法による社会の分断にも、マーケティング担当者はもっと敏感にならないといけませんし、マーケティング担当者こそ、社内でも下の世代の気持ちを汲み取り、若手に任せる勇気を持たなければなりません。





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