「田んぼ」は生きるエネルギーを生み出す装置

2021/09/05

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Vol.13 『農のポテンシャルを活かし切る』

いま農業は人を呼び込むツールになると思います。切り札は「田んぼ」です。


無から有をつくり出す存在

田んぼも畑も興味はない、とおっしゃる方でも、地域の農家の方とは積極的にコミュニケーションしてほしいと思います。農業というものは、唯一、無から有を生み出す業です。もちろん種は必要なので完全に無からとはいえませんが、農作物ができるのは土、水、空気、太陽などと農家の方々の努力の賜物です。さらに、単に野菜や果物として収穫するだけでなく、いろんな加工品となって次の産業をもつくり出しています。

農家の方から、野菜などをいただくこともあります。「どうせ余ってるから、持ってって!」と、通りすがりの者でも、ちょっと縁があると野菜をくれたりしますよね。食べてみるとむちゃむちゃうまい!スーパーなどで売っているのとは明らかに違います。「またもらえないかなあ」と不謹慎に思ったりするくらい。採れたてということもありますが、やっぱりプロの農家さんが作る野菜は美味しいのです。格が違います。野菜ぎらいの人がこういう野菜を食べて克服したという話もよく聞きますし、こんなに美味しいから、もっとたくさんの人に食べてもらいたいと思う人も現れるわけです。これをきっかけに次の産業が育つこともあります。だからこそ、畑や田んぼに興味がなくても、地元の農家さんとはコミュニケーションしてほしいのです。


田んぼのむずかしさ

田んぼは巨大な水利装置で共同利用するものです。本気でコメ農家になる!という方なら、田んぼという「巨大な装置」の共同利用者の一員になると覚悟を決めることで、地域への溶け込みも早くなりますが、そうでなければ、それは負担でしかありません。田舎に来たんだから自家用のお米がほしい、という程度の方では、田んぼをお借りすることもままならないのが実状です。農家の方が自家用に確保している田んぼを探し、最初はそれをお手伝いするという形で、田植えや稲刈りをやらせていただくのがよいと思いますが、そんな農家さんを探すのさえ簡単ではないかもしれませんね。

米農家になるのか、ならないのかという二者択一ではしんどい。この敷居を下げて、一人でも多くの人に田んぼに携わってもらうような工夫ができれば、田んぼはもっともっと有効利用することができます。地域の方は、それが大きな壁とわかっていながら、いまだに取り除こうとする動きはほとんどなく、耕作放棄地は増え続けています。


土地の価値を引き出す匠

農家さんにはもう1つ、すごいことがあります。土を知っているということは、その土地の歴史を知っているということ。農家の方は、その土地に一番、合った使い道を知っているのです。どこに何を植えれば美味しい野菜や果物が育つのか、どこから水を引き、どういう順番で田んぼに流していけばよいのかを熟知しています。農家の方々はその土地のポテンシャルを最大限に引き出してくれているのです。それは先祖代々、受け継いできた土地だからこそといえます。だからこそ、昨日、今日、来たばかりの者にさわらせるわけにはいかない!それも理解できるのですが、田んぼの開放は待ったなしだと私は考えています。





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