マーケティングを再定義

2021/11/05

◆Marketing_1

t f B! P L

Vol.15 『自治体のマーケティングを考えてみる』

営利を追求する民間企業だけでなく、自治体にもマーケティングは必須です。


社会課題の多さを競う

先日、自治体と企業のマッチングセミナーを視聴していました。オンラインです。2日間で10ほどの自治体が企業向けにプレゼンをします。それがなかなかいまの時代背景を映し出すような光景でした。

自治体が企業に期待するのは、サテライトオフィスを置いたり、ワーケーションの行先としてもらったり、何らかの実証実験やソーシャルビジネスを行うことなどです。そこで自治体が用意しているのは、だいたいどこも同じ、判で押したようにコワーキング施設とか、オフィスや店舗、住居として使える空き家などです。そして、もっとアピールしているのが、その自治体が抱える社会課題。高齢化率の高さ、それから波及する医療や公共交通の諸問題、担い手不足による第1次産業の衰退、耕作放棄地や手入れされない森林、獣害、高校が統廃合され16歳になるとほかの町の高校に通ってしまう、18歳になれば進学や就職に街を出て行ってしまうなどなど、、。まさに百花繚乱、社会課題があふれんばかりのプレゼンです。それを半ば自慢げに話しているのを聴いて、ちょっと考えさせられました。そんな課題だらけの街にコワーキング施設を作ったからテレワークしませんか?といって誰がくるのか?


分析してみると

このプレゼンをもとに自治体マーケティングの「4P」を探ってみます。


といったかんじでしょうか?これでは何の商売だかわかりませんね。

でも、「Product」を「自治体とともにビジネスできる機会」と考えると少し魅力的になってきます。医療や学校、公共交通など法律にしばられた職域はもちろん、農業や林業などもまずは農業委員会や森林組合の説得から始めなければならず、自治体の協力なくして新参者には何ひとつ始められません。しかも全国とも等しく、社会課題と呼ばれるものは法律や委員会、組合などにしばられているところに起きているのです。


社会課題は宝の山か?

そもそもビジネスとは「何らかの課題を解決し、人々に便宜を供与するもの」です。買う方も喜んで、ありがとう!と言って対価を払う。売る方も気持ちよくお金を稼げ、社会も良くなる。よくご存知の、三方よしというやつですね。だからといって、「うちの街は課題がいっぱいあります」というアピールは、ビジネスのネタ、チャンスがいっぱいありますと同義ではないのです。「課題解決ビジネス」、ソーシャルビジネスと言ってもいいです、は、資本だけでなくいろんな力を集めなければ成立しないのです。

マッチングに参加して実際に自治体の方と話してみました。私は教育に興味があり、ちょっと縁があってその町にある高校の先生を知っていたので、その高校の話をすると、即座に「●●高校は県立なので、、。」と返事が。県立なので町としては何もできないと言いたげでした。高校は県立でも通っているのはその町の子たちです。家族もその町に住んでいるのに。私は面談を打ち切りたくなりました。「Product」は「自治体とともにビジネスできる機会」です。何ひとつリスクも負わず、民に頼るなら、自治体の「Product」とは何かをもう一度、考えていただきたい。





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