「フードツーリズムマイスター」ってどんな仕事?

2022/01/10

◆Tourism_1

t f B! P L

Vol.17 「社会貢献を観光に」

これからの観光は、「社会貢献」になっていく。今年の初めは、これをテーマにお話ししたいと思います。


これまでに話してきたこと

コロナ下のツーリズムでは、「来てもらうだけでなく、かかわってもらう観光」への発想の転換が必須であると、お話ししてきました。これまでの、「物見遊山」的な観光がなくなることはありません。そういう観光地に行く観光と、観光地とかかわる観光の2つに分かれていくのです。

これまでは交流人口という薄いつながりから、飲食、宿泊、交通、おみやげという4つの売上を増やしていくのが目的でした。ただ、この4つは純粋に観光客向けだけに展開していては変動要因が大きすぎて産業としては不安定。地域の方がこれらを積極的に活用しているなかで観光客という需要をオンしていく、という状況をつくり出せなければ、サステナブルな事業にはできません。つまり、地域の方々の活動を観光客という域外の方々が支援する=かかわってもらうことで、サステナブルな状態にしていくのです。

それでは、地域にかかわってもらうにはどうしたらいいでしょうか?それには、その地域とどういうかかわり方ができるかを明示しなければなりません。そこで観光案内所に代わる「関係案内所」が必要になってきます。これをソトコトの編集長は、スナックみたいなもの、とおっしゃっていましたが、まさに的を射た表現。実際には地域の小さなメディアがスナックになると私は期待しています。


何を案内する

関係案内所では観光案内はしません。案内するのはその街の現状だったり、人間関係だったり。また域外の方からの「こういうことをしたいんだけど、どなたかいい方を紹介していただけませんか?」みたいなリクエストに応えるのが関係案内所です。とはいえ域外の方が、「こういうこと」と具体的なリクエストをしてくれることはまれでしょう。その前に、「この街とはこんなかかわり方ができます」というサンプルや事例を見せなければ、リクエストが来ることもありません。

では、どんなサンプルを用意すればよいか?というと、域外の方にとって「社会貢献につながること」、つまりはその裏返しであるその街の「社会課題」を上手に見せればいいのです。昨年、青森のニンニク農家の話をしました。人手が必要になる収穫期に域外から人を集めるのですが、集まる方々はそのニンニク農家さんのファンの方ばかりです。こういった事例がなければ、その街がどういう課題を持ち、どうしたいのかを見せ、そのために域外の方々に何をしてほしいのかを、個人でかかわれるほどの単位に小分けしたうえで提示していくことだと思います。


コロナで変わったこと

コロナ以降、会議、セミナー、イベントなどがリモート、オンラインに変わりました。直接、会えるわけではないですが、お互いの表情や声などをライブで知ることができるようになりました。これが当たり前になったことによって、SNSでのフォロワーからのコメントやDMでのやり取りよりも、もう1段階、濃密な関係を生むシステムができたといえます。これを積極的に活用しない手はありません。

次回は、その活用法や、観光と社会貢献との関係をお話しします。





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