ライブを見た方に行動を起こさせるには
、まずはECですが、もう1つ、「関係をつくる」ことも考えておきましょう。
お金の関係
行動を起こさせる、とはどういう意味でしょうか?それをしっかり地元で定義しておく必要があります。
私の定義は、この2つです。
(1) お金を払う、またはそれに類する行動を起こさせる
(2) 一見さんではない、長く付き合える関係づくり
たとえば、ECをやるにしても、「地元の産品が安く買える!」という売り方や、ましては「●名様にプレゼント!」みたいなことはやるべきではありません。これでふだんより多くの人を集められたとしても、割引やプレゼントをやめたとたん、去っていく人ばかりです。むしろ、ライブではこと細かに、その産品ができるまでのストーリーやプロセスをじっくり見せるようにし、価格にも納得していただきつつ、購入してもらうのが理想です。できれば、サブスクのような売り方がもっとも望ましいのです。
我が街の産品を定期的に購入していただく中で、生産者や街の歴史などにも興味を持ってもらい、やがては街に来ていただく、という関係をつくっていくべきです。街に来ていただいたら、ライブ配信に出演してもらったり、産品づくりを体験していただいたり、関係をより深めていくことが可能になります。
街に来ていただく前段階として、ライブ配信だけでなく、Zoomのミーティング機能を使ったリモートイベントなどをかませながら、「ライブを見る」→「ECで単品を購入する」→「ミーティングに参加する」→「現地に来て体験する」→「サブスクで継続購入」と、着実にステージを引き上げていくことを考えてみてください。
観光マーケティングとは
このコラムの最初に、ニューノーマルの時代を迎えて、地域に来てもらう観光だけでなく、地域にかかわってもらう観光をめざすべき、とお話ししました。実はこれはコロナ前から感じていたことです。インバウンドの例ではありますが、2018年に訪日外国人は3,000万人の大台を初めて超えましたが、2019年は微増となりました。さらに同年の1人あたりの消費額は前年比で微減。つまり日本は、「単に安く旅行できる国」でしかなかったのです。これは外国人だけでなく日本人にとっても同じです。2019年、私は仕事の都合で全国を出張していましたが、どこに行っても感じたのは飲食店や宿泊施設の方々から漂ってくる『疲れ』でした。観光立国をめざそうとしていた日本でしたが、それで表面化したのは、薄利多売による「観光の安売り」と「観光関係者の疲れ」なのです。どちらも人手不足にあえぎ、外国人労働者なしでは成り立たない状況でした。コロナは観光業界に大打撃を与えたかもしれませんが、ここで見直す機会を得られたことはよかったと私は思います。
これからの観光マーケティングに必須なのは、1万人から1,000円もらうことではなく、100人から10万円をもらうことです。1人あたりの生涯売上額(LTV)を最重要のKPIとし、来てもらうだけではなく、地域にかかわってもらう観光へと知恵を絞ることです。
このコラムはいったん今回で最終回となります。もう1つのコラム『「田んぼ」は生きるエネルギーを生み出す装置』で、観光もお話ししていく予定です。
これまでお付き合いいただきありがとうございました。
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