「田んぼ」は生きるエネルギーを生み出す装置

2022/06/25

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Vol.21 『交流が生まれる、とは?』

あらためて「交流」とは何かを考えてみます。


サテライトオフィス(SO)やコワーキングスペース(CW)では

自治体からみれば、域外の方がSOやCWを利用してくれれば、まずは良しなのかもしれません。たぶん、年間に数人から十数人というレベルだとは思いますが、移住者も現れ、関係人口も増えればKPIは達成なのです。私はもうひと押し、仕組みを考えるべきだと思います。SOやCWの利用者を呼び込むため、また長く施設を利用していただくためにも、地元の方々との交流の機会を創出していくことが必須だと思っています。

ここで「交流」と書きましたが、域外の方、地元の方の双方にとって本当に望ましいのは、お互いに新しく仕事が生まれることです。単純には、域外の企業が地元の会社に業務を発注する、地元の方を雇用するといったことです。10年ほど前に石垣島の方に聞いた話ですが、島にコールセンターを作った会社があったそうです。島では会社を建てる土地を用意するなどいろいろ便宜を図りました。その会社は数十名の地元の方をオペレーターとして雇い入れてくれたのですが、1年ほどで撤退してしまったのです。雇用といってもアルバイト程度のものだったり、発注してくれる業務もそこでなければならないような要素が何もないと、企業側の都合で簡単に撤退されてしまうこともあります。域外の企業に地元の方や企業が「雇ってください」「仕事ください」という関係ではなく、パートナー的な交流にしていきたいところです。

理想の交流は、ビジネスリスクを負担し合えること、ではないかと思います。


企業は社会貢献したい

進出してくる企業は、新たに地方に拠点をかまえるなら、その土地に貢献したいという気持ちをもって来ているはずです。ただ、寄付を基本としたものや、社員のボランティアに頼るような活動では長続きしません。やはり、通常の企業活動を行うことで地元への貢献にもつながるのがベストだと思います。安い人件費で人を雇いたいとかではなく、逸材や未知の事業機会が眠っているのではという期待のほうが大きいはずです。本業を続けながら、その街に進出して来たからこそできることを見つけたいのです。

いまどきは、地元の方のほうも、仕事をもらう、雇ってもらうという意識はあまりないのではないでしょうか?であれば、せっかく来てくれた企業と積極的に交流すべきだと思います。


農業現場から地元を見てもらう

いっしょに田んぼをやったり、ホタルを見に行ったり、オフから始まったお付き合いが直接、仕事につながることはあまりないかもしれませんが、お付き合いの輪を広げることは大切です。特に農業は地元の実情を知る絶好の機会になります。農家の方とお知り合いになることで、その街の歴史や文化にも触れることができると、私は考えています。そういったつながりから、いつかは仕事でのつながりも生まれるでしょう。

農業というのは、無から有を生み出す産業です。農業が対象とする植物だけが二酸化炭素を酸素に換えることができます。さらに農業は常に数年先を見据えて営んでいく未来志向の職業だともいえます。都会に暮らす人にはあまり体験することのないものですから、新たな気づきもたくさん生まれます。私はこれこそ最高の交流だと思っています。





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