マーケティングを再定義

2020/08/15

◆Marketing_1

t f B! P L

 Vol.4 「上顧客は2割!」

ここで、少しおさらいです。第1回で、「2Cと5P」の話をしました。まずは、「2C」から詳しくお話ししましょう。


「コミュニティ(Community)」化

顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)という3つの視点から自らの立ち位置を確認し、次に進むべき方向を決めていく戦略を『3C』と呼んでいました。この3つのうち、今後は顧客(Customer)と自社(Company)が一体となり、売り手と買い手という明確な区別がなくなり『コミュニティ(Community)』として一体になっていくことをお話ししました。

では、「売り手と買い手が一体となる」とはどんな状態でしょうか?ひと言でいえば「ともに商品開発をする」関係を築くことです。BtoBでいえば顧客が作っているモノまたは提供しているサービスを劇的に進化させる提案をすることです。部品や材料、サービスなどを納めているだけでは、常にコストダウンを要求され、それが実現できなければ乗り換えられてしまいます。劇的に機能が向上するか、劇的にコストダウンが図れるか、いずれかを提案し共同開発することです。BtoCの場合は、2割の上顧客のニーズを満たす商品を開発してあげることと、顧客同士をつなげ、まさにコミュニティをつくることです。


「パレートの法則」

「顧客は多ければ多いほどいい」と考えがちですが、必ずしもそうとはかぎりません。これはコミュニティ化の場合も同じです。


「パレートの法則」をご存知でしょうか?「2:8の法則」と言ってもいいかもしれません。たとえば、100人の社員がいる企業の場合、会社を動かす原動力となっている社員は20名ほどで、ほかの8割の社員はいわゆる“指示待ち”社員と言われています。「2:6:2」という方もいて、6割は指示待ちですが、2割は指示しても動かない社員とも言われています。では20名の精鋭だけにしたらどうなるか?というと、やはりその中でも2割しか自発的に動かなくなると言われています。脱線しましたが、企業の売上をみると、上位2割の顧客が、その会社の8割の売上を作っているという例や、上位2割の売れ筋商品が、その会社の8割の売上を占めているという例が、業種や規模を問わず数多くみられるのです。


お客様を増やさない!

顧客はある程度は多いほうがいいとは思いますが、まずケアすべきは売上や利益に大きくかかわる上位2割の顧客です。一方で、残り8割はほったらかしでいいという意味ではありません。上位の2割は常に移り変わっていきます。残念ながら離れていく顧客もいます。残り8割から上顧客に引き上げる努力を続け、離れていく顧客がいれば入れ替えることで、結果として、2割の上顧客が残るという意味になります。

売り手と買い手が一体となるコミュニティ化は、この2割の上顧客の固定化に大きく寄与します。離れていく客をコミュニティ化で極力、少なくし、引き上げる客が増えれば、上顧客の割合は高くなっていくでしょう。でも不思議なことに、もし上顧客が5割を占めるようになったら、次はその中の2割の特上顧客を特別扱いしてあげなければ、客は離れていきます。

戦略としては、上顧客の数は、自社のリソース的にそれに対応できる適正な数を上限とし、顧客の数を増やすのではなく、顧客との関係を深めることを優先すべきです。


次回は、「5P」について、さらに解説していきます。



このブログを検索

My Profile

職業:旅人
コピーライター
フードツーリズムマイスター

Contact Us

名前

メール *

メッセージ *

注目の投稿

「田んぼ」は生きるエネルギーを生み出す装置

QooQ